楽焼は、当然ながら楽家を中心に発展したものですが、茶の湯の盛行に伴って長次郎系の楽家以外の人々も楽焼を楽しむようになりました。
楽家の製品 → 本窯
それ以外の製品 → 脇窯
脇窯の中で評価が高かったのが本阿弥光悦です。
光悦の茶碗
よく知られている光悦茶碗は、気宇が大で格調が高く、楽茶碗の最高峰の姿を示しています。
はくたく
気宇とは気の持ちようのこと。心意気がよく度量の広い、という意味です。
作風から見ると三様あるといわれていて、書道に言われる真・行・草の筆法にたとえられます。
真
行
草
光悦茶碗の特徴
全体的な特徴には、あざやかな色調が通例です。
これは、焼製に高い火熱が加えられて現れる釉色とされます。
- 胴側に箆目跡を多く見せている
- 高台は円形または不正多角状
- 高台径がわりあいに小さい
ほんね
高台の小ぶりな傾向は、長次郎茶碗「東陽坊」が先に表しているため
光悦の作陶が楽家と関係が深かったとの伝えを示すもの、らしいですよ
- 奇矯な姿
- 織部陶の影響を受けて生まれた
はくたく
光悦茶碗は個性的な作風が著しい。
- 焼き割れがみられる。つまり、焼製に高熱が使われたことを示す。
- (恐らく)楽家の窯で焼かれている。
本阿弥光悦の茶碗まとめ
参考文献
飛鳥・奈良・平安時代の陶芸 田中作太郎, 陶芸 原色日本の美術第19巻, 小学館, 1967
国指定文化財等データベース(文化庁)
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