茶道

夜咄茶会々記

はくたく
はくたく

お茶を楽しむ醍醐味は一座建立でしょうな。

ほんね
ほんね

そのためにはお道具がどういったものか、理解できたほうが楽しめそうですね

本来であれば紙に筆で縦書きされているものですが、横書きで記載します。リストが下がっているものは字下げで記載されています。

       和暦〇年    夜咄茶会々記

待合掛物     梅園          竹内栖鳳
掛物           松千年翠            江南和尚
  花            石菖          
香合           富士          政所窯
釜              口八角政所釜        河田松寿
  炉縁         菊桐蒔絵  方丈舌材ヲ以テ      
風炉先          松葉ノ図               吉兵衛
水指             鳳凰ノ図               久世久宝杓立しゃくたて・建水・蓋置同右皆具ノ内
茶器             梅ラデン               三木表悦
茶杓             梅                  義的
茶碗             黒楽梅                  政所窯
  替              金彩 松ノ画           田中寿宝
  替              梅                  真葛香斎
菓子器          かごめ喰籠 白檀塗      三木表悦
菓子             春和しゅんわ                   松寿軒
茶                建久けんきゅうの白               祇園 辻利
                              以上
簡単な注釈
  • 江南和尚
    詳細わからず。掛物も、「松壽千年翠」が通常との認識。
  • 政所窯
    圓徳院が営む楽焼所。織部を焼くこともある。お庭焼。
  • 方丈舌材
    古建築において特殊な細部様式として、肘木の下面に沿って作り出された舌状の薄い突起を「舌」と言う。ここでは、方丈舌材とあるので、大正元(1912)年に再建された高台寺方丈の舌材か。
  • 吉兵衛
    千家十職せんけじゅっしょくとの一人、表具師である奥村吉兵衛(襲名制)のこと。初代吉右衛門(1618-1700)から始まり、2023年時点で十一代目。お道具を作った世代は未聞。
  • 久世久宝
    京焼の系譜、京都の陶芸家久世久宝(襲名制)のこと。初代は1874年生まれ。2023年時点で六代目。お道具を作った世代は未聞。
  • 三木表悦
    京都の漆芸を行う系譜、表悦(襲名制)のこと。初代表悦は1879年生まれ。2023年時点で四代目。お道具を作った世代は未聞。
    表悦公式ウェブサイト🔗
  • 義的
    詳細わからず。
  • 田中寿宝
    六代目久世久宝。
  • 真葛香斎
    貞亨年間(1684-1687)に陶芸を生業にした祐閑宮川小兵衛政一に端を発する焼き物の系譜、香斎のこと。2023年時点で六代目。お道具を作った世代は未聞。
    真葛焼公式ウェブサイト🔗

参考文献
法隆寺金堂の「舌」と『営造法式』の「鷰尾」の関連性について―東アジアにおける舌とその源流の系統的再考―,唐聡, 2017