原産地呼称統制名称(Appellation d’Origine Controlee)とは
INAO*において認定された品質と原産地を示す公式標識のこと
*INAO (Institut national de l’origine et de la qualité) :
フランスの公的行政機関。フランス国立原産地・品質研究所
INAOの農産物や食品の原産地や品質を示す公式標識には、AOC以外にも、以下のように1200以上の製品をカバーしています。
- 原産地呼称統制名称(AOC)
1905年に開始した、フランスの原産地呼称です。ワイン以外にも広く産品の原料や品種、飼育や生産方法について規定し、原産地の特徴が明確な産品について呼称の利用を認めて品質を認証しています。 - 原産地保護呼称 (AOP : Appéllation d’Origine Protégée)
フランスのAOCに倣って1992年に生まれたヨーロッパの原産地保護呼称です。産品の原産地を保証するもので、気候条件、日照、土壌、植生、飼料、先祖伝来の飼育や生産法などの地域特性が産品に反映されるという考え方です。産品が該当する地域で正当に生産されたものであることを証明します。
ほんね
多分、フランス人のワインへの情熱が強いので
AOPよりもフランスワインのAOCの基準は厳しいのですよ
だから、AOPにAOCは含まれるといっても、まだAOCがメインで使われている印象です
- 原産地保護名称(PDO : protected designation of origin)
- 地理的保護表示(IGP : Indication Géographique Protégée)
フランスではINAOが統括していますが、EUの規定です。土地の自然や気候、人的要因を反映していること、つまり、地産地消で、保証された品質と評判であることを証明します。
2009年8月以降、フランスのワインでそれまでVins de tableはIGPに分類されました。 - 伝統的専門保証(TSG : traditional specialty guaranteed)
- ラベルルージュ(LR : label rouge)
1960年代に導入されたフランスの食品品質保証マーク。INAOが生産から出荷まで厳しく管理しています。伝統製法に則った産品について生産者組合が申請して認可を得ます。
味わいを確かめる官能検査も行い、ラベルルージュがついたものは上等、格上と認められています。にラベル・ルージュがあります。
ラベルルージュの分野
肉類、魚類、小麦とパン、プロヴァンスハーブ、卵と家禽、果物と野菜、
蜂蜜、苗木と種子、水産物
- 有機農作物(AB : agriculture biologique)
自然や環境に配慮した有機農法による生産物のことです。一般的にオーガニックと言われます。規定は厳しく、牧畜の場合でも飼料は有機農産物に限られます。
・殺虫剤など化学合成物を使用しない
・輪作により土壌の再生を図る
・有機肥料を利用する
・遺伝子組み換え品を使用しない など。
(左) フランスの有機農作物マーク (右) EUの有機農作物マーク
ワインには、フランス全土で350以上のAOC / PDOワインが存在するといわれています。